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《ガリレオ》(神探伽利略)剧本.doc

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ガリレオ 第一章 『燃える!変人天才科学者』 静かな住宅街。 何度か咳払いしながら、マイクの前に座る男·金森(唐沢寿明)。 手には、『ヘルマン·ヘッセ全集』。 画面が割れた携帯の電源を切り、リモコンを操作。 本の音読を録音していく。 バイクと音楽の大音量、そして若者たちの大声が、彼の音読を中断させる。 川岸のスペースで、タバコを吸い、ネズミ花火をしながら 下品な話を大声で話す若者たち。 金森はそっと本を閉じ、録音を中止。 携帯を手に、静かに立ち上がり、そして部屋の電気を消し、 カーテンを少し開け、若者たちを見つめながら、 携帯の数字ボタンを押していく。 『10223··· 』 タバコの火を看板や銅像に押し付ける若者たち。 一人の若者がベンチに腰掛け、次の悪巧みを相談していると、 突然、その男の頭が発火!その場に倒れこむ。 他の若者たちが悲鳴を上げる。 金森はその様子を凝視し、そしてその場に座り込んだ。 貝塚北署の新人刑事·内海薫(柴咲コウ)は現場検証の際、 夜空を見上げる少女の姿を見かける。 「これだな。花火の火が引火したんですね。」 と、刑事·弓削志郎(品川 祐)。 取調室 「違います。   本当に頭が燃え··」 若者はその時のことを思い出すとパニック状態に。 取調室をマジックミラーで見つめる刑事たち。 「あー、パニクってるなー。」と草薙俊平(北村一輝)。 「あの時もそうでしたよね。  田園調布のネズミ男事件!」と弓削刑事。 「知ってます!あの、ネズミ操って人殺した事件でしょ!   あれも草薙さんが解決したんですよね!  あと蒲田の念力殺人とか、羽田の空中浮遊事件も!」と薫。 「それが認められてこの度本庁に栄転だぞ!」と弓削。 「すごいなー。もっと一緒に仕事したかった!」と薫。 「残念ながら明日が最後だ。」と草薙。 「私、草薙さんの後継者になります!」と薫。 「何を寝言言ってんだ、新米が。」と弓削。 検視室。 草薙が、美人監察医·城ノ内桜子(真矢みき)を紹介する。 「草薙さんに憧れてるの?」桜子が薫に聞く。 「はい!貝塚北署のミステリーハンターですから!」 「ミステリーハンター···ねー。」と桜子。 遺体の様子に顔を引きつらせる弓削と薫。 「首から上が丸焦げ。  直接の死因は頭頚部の熱傷性ショック。  頭蓋骨が、酸化するほどの熱傷よ。」 あまりの様子に口元を押さえる弓削と薫。 「あ、ゲロ袋そこ!  ねーねーねー!出来たらトイレで吐いてきて。」 弓削が部屋を飛び出していく。 「お前はいいのか?」草薙に聞かれ、ゴクっと飲み込む薫。 「へ、平気です··」 「可愛いー!」桜子が微笑む。 吉野家 牛丼を食べながら話す薫と草薙。 「この事件··草薙さんがいなくて真相解明できるんでしょうか··。」 「弱気になってんな。」 「そんなこと··ありません。」 食の進まない薫。 「お前交通課にいた頃から、刑事になりたかったのか?」 「はい。」 「自分が囮になって痴漢60人捕まえたんだって?」 「65人です!  毎朝ミニスカート履いて通勤電車に乗りました。  あ、セーラー服着て乗ったことも!」 「···」 薫は何とか牛丼を食べなければと、唐辛子を一杯振って口に運ぶ。 「よし。お前に本当のことを教えてやる。」 「え?」 「俺はな、ミステリーハンターなんかじゃないんだよ。  俺が解決した事件は、全部あいつのお陰なんだよ。」 「あいつ?」 帝都大学 大学生にナンパされ、若く見られたと喜ぶ薫。 「そいつは帝都大学理工学部物理学科第13研究室にいる。  俺が大学にいた時の同期でな。  名前は湯川学。   物理学では超が付く天才だ。  ただちょっと変わり者でなー。  俺たちはあいつのことを、変人ガリレオって呼んでた。」 尊敬する先輩刑事·草薙のアドバイスで、薫は湯川に会いにきたのだ。 研究室に足を踏み入れると、中は真っ暗。 なにやら発光しているものに近づいていくと、それが破裂。 驚いた薫は何かのレバーに触れてしまい、ガスのようなものが噴出す。 明かりがつき、黒いゴーグルをつけた研究者たちが出てきた。 「誰だ君は。」と湯川。 「内海と申します。こちらの准教授の、湯川先生に、」 研究員の一人がゴーグルを外し、薫に顔を接近させる。 「湯川は僕だが。  ···知らない顔だ。」 「貝塚北署刑事課の者です!  草薙刑事の紹介で!」 「草薙。」 「先生に捜査協力の依頼を、」 「ダメダメダメ。お帰り下さい。  実験中で忙しいんです。  先生も続けて下さい!  はい、学生も戻った戻った!」と栗林宏美(渡辺いっけい)。 「じゃあ、外で話を!」と薫。 「捜査協力は出来ません!  草薙さんは同期のよしみで協力されただけなんです。」 栗林が薫を追い返そうとする。 「先生の協力が必要なんです!  わけのわからない事件が起きて、」 「しつこいな!」と栗林。 「あなたに喋ってるわけじゃありません!」 「僕は助手だよ。」 「じゃあ黙ってて!」 「じゃあって何だよ!」 「人が燃えたんです!」 その言葉に、研究生たちに説明していた湯川が振り向く。 「先生、ダメです!」 栗林の言葉に、湯川は生徒たちに説明を続ける。 「ごく普通の住宅街でですよ!」 「無視しましょう。」と栗林。 「頭が突然燃え上がって死んじゃったんです!」 無視して説明を続ける湯川。 「こんなことあり得ません!」と薫。 「あり得ない!  ···誰が証明したのか?」と湯川。 「え?」 「湯川先生!」と栗林。 「1951年7月2日、フロリダ州セントピーターズバーグで、  メアリーリーサーという67歳の女性が、  自宅の部屋で突然燃え上がり、わずか数分間で炭になってしまった。  1982年9月15日には、イギリスのエドモントンで   ジニーサーフィンという女性が、  突然口から火を吹き頭部炎上。  最近では1998年8月24日、シドニーでアメスフィーブスという女性が  車の中で突然燃え出した。  人間の体が突然燃え出すという人体発火現象は、  世界中で目撃されているんだ!」 「まさにそのオカルト現象が起こったんですよ!」 「オカルト!?おかしなこと言うな、君。  現象には必ず理由がある。  人体発火にも、Dによる発火説、細菌による発火説、  人体蝋燭化現象による発火説。  そしてまさに今君が見た、プラズマによる発火説。」 「プラズマ··」 「しかし、人体発火現象を解明出来る決定打はないんだ。  現場の周囲に火の気はなかったのか?」 「ニュースじゃ花火が引火した事故だって言ってますよ!」と栗林。 「ネズミ花火で、頭蓋骨が炭になりますか!?」 「···面白い!」 ここで一番最初のCM。 掴みはOK!面白いです。 薫とともに現場を訪れる湯川。 「被害者は、この位置に座っていたそうです。  一緒にいた三人はですね、同じ中学を卒業した遊び仲間だったんですが、  この辺りに、被害者を見上げるような形で、座っていました。」 銅像に付いた焦げた跡に興味を持つ湯川。 「タバコの火を押し付けたんですね。  何が面白いんだか··」と薫。 看板にも同じ様な焦げが沢山付いていた。 「目撃情報では、後頭部から燃え出したそうです。」 「後頭部?」 「頭の後ろで炎が上がったと思ったら、一瞬で頭部全体が火に包まれたと。」 湯川は池に浮かぶアヒルの銅像の目にも、同じ様な焦げた跡があることに 気付く。 「髪の毛に、油分の強い整髪料は?」 「付けてました。でもそんなのにいちいち火が付いてたら、  町中でマッチ棒みたいに燃えてますよ。」 「マッチ棒か。面白いこと言うな。」 「別に面白くありません。」 「いや、実に面白い。」 「どうして燃えたかわかりましたか?」 「ハッハッハッハッハッハッハッハ。」 「湯川先生!?」 「さっぱりわからない。」楽しそうに湯川が答える。 わからないと楽しそうに笑い続ける湯川。 きっと、わからないことに挑戦できることが、嬉しいんですね 貝塚北署。 栄転していく草薙を見送る署の人々。 女性職員たちは黄色い声を上げ、草薙に抱きついて別れを惜しむ。 「変わり者だったろ、湯川は。」草薙が薫に歩み寄る。 「本当にああいう人の協力が必要な事件なんでしょうか。  課長もあれは事故だろうと言っています。  ムキになって捜査しても意味ないんじゃ。」 「財宝はな、誰もがノーマークな場所に埋まってるもんさ。」 「財宝?」 草薙は薫を抱きしめると、 「俺なら捜査を続けるね。湯川によろしく。」 そう言い署を去っていく。 町の人々に聞き込み調査をする薫。 「可哀想だと思うけど、正直ほっとしているんです。  ほんと五月蝿かったです。毎晩毎晩。」 「お回りさんが注意したって聞きやしないし、  我慢の限界だった。  もし俺が必殺仕事人だったら、とっくに切ってたね。」 「それにしても、どうやってやったんだろうね。」 「どうして人が燃えちゃったのよ!?」 「警察の人にはもうお話しましたけど。」と金森。 「あとで思い出されたことはありませんか?  不審な車とか、人とか、物音とか。」薫が聞く。 「いえ、何も。」 「そうですか··。」 「わかったんですか?人が突然燃えた理由。」 「あ··」 「みんな、興味あると思うし。」 「やっぱり。まだ、調査中です。失礼します。」 「ご苦労様です。」 帝都大学。 薫は湯川の講義に紛れ込む。 学生たちはほとんどが女子。 湯川の魅力にみんなうっとりとしている。 湯川が薫に気が付いた。 抜け出そうとすると、湯川が薫を当てる。 「君!君答えて。」 学生たちが薫を見つめる。 「え!?」 薫は大勢の学生の前で恥をかく。 昼。食堂で一緒に食事する二人。 「···で、わかったんですか?」 「前にも言ったように現象には必ず理由がある。  頭が突然燃えたことにも理由がある。」 「それはもう聞きました!」 「だから前にも言ったと前置きしただろ。」 「同じことを繰り返さなくても結構です。」 「···君は、何か腹を立てているのか?」 「わかります?」 「まさか僕に!?」 「科学者って人の気持ちについては深く考えないんだなー。」 「当たり前だろ。感情は論理的ではない。  論理的ではないものにまともに取り合うのは時間の無駄だ。」 「···」 「わからないかな。  例えば君が、犬のウンチだとしよう。」 「はい!?」 「ウンチだから臭くてたまらない。  なのにそれを目の前にして、なぜ臭いかを考え続けるやつがいるか?  処理するか、その場から逃げ出すか。  とにかく、犬のウンチにまともに取り合うのは時間の無駄だ。」 「···つまり、私は犬のウンチ?」 「そうだ。何度も言わせるな。」 「このどす黒い感情はどうしたらいい?」 「感情に興味はない。  今日のテーマは、突然頭が燃えたことを別のアプローチから  考えてみようということだ。」 「むかつく!」 「つまりそれは、自然発生的なものか、それとも、人工的なものなのか。」 「は?」 「わかりやすく言えば、事故なのか、事件なのか。」 「私は、事件だと思います。」 「なぜ?」 「刑事の、勘。」 「実に非論理的だ。」 「··犬のウンチですから!」 「ウンチだね。」 「ウンチ。」 「あーウンチだ。」 「あなたを逮捕したい!」 「ほら又ウンチが出た。」 「···」 事件現場を再び訪れる湯川と薫。 「タバコの焦げ跡が、気になりますか?」 「黙っててくれ。」 辺りを見渡す湯川は、少女が空を見上げながら歩いているのに気付く。 「あの子がどうかしたんですか?」 「何をしているんだろう。」 「自分で聞けば?」 「嫌いなんだ。」 「は?」 「子どもは論理的じゃない。」 「は?」 「聞いてきてくれ。  早く!」 「···糸を探しているんです。」 「糸?」 「事件の夜もあの子いたんです。  母親と、ヤジウマの中にいて、ああやって空を見上げてたんで  声かけたら、空に赤い糸が浮かんでたって。」 「何?」 「赤い糸です。  童話か何かで読んだんですよ。子どもの想像力って、」 「詳しく聞きたい!」 「···」 湯川が首を小さく振り、行けと命じる。 仕方なく少女に向かう薫。 「どんな糸だったの?」 「ピーンって真っ直ぐな糸。」 「真っ直ぐな糸?」 「どの辺りに?」湯川が薫に言う。 「お空に浮かんでたの?」薫が少女に聞く。 「ううん。その辺。」少女が指差す。 「おじさんの頭ぐらいの所?」 「やめてくれ。」と湯川。 「指差さないであげてくれる?怖がっているから。」と薫。 少女が指を下ろす。 「前にも見たことがあるか?」湯川が薫に言う。 「前にも見たの?赤い糸。」 「七夕様の夜。」 「七夕?」 「三ヶ月前···」と湯川。 「もう帰らなきゃ!」少女が帰っていく。 「ありがとう!」 何かがひらめいた湯川は、辺りを見渡す。 「子どもが嫌いなんじゃなくて、苦手なんじゃないですか?」 湯川が突然走り出す。 「何!?」慌てて追う薫。 カーブミラーの前で眼鏡をかける湯川。 そこにも丸い焦げ跡が付いている。 湯川は石を手に取ると、道路に公式を書いていく。 振り返ると、そこに『時田製作所』という工場があった。 湯川がそこに向かって歩き出す。 「警察の方が一体何のようでしょう!?」 社長の時田(小林すすむ)は、薫が刑事だと知って、困惑していた。 「ある、事件の捜査で。」と薫。 「事件って、あれですか?不良が焼け死んだ。」 「ええ、まあ··」 薫が社長と話している間、何やら呟きながら工場内を歩き回る湯川。 金属部品のひとつを手に取ってみる。 「ダメです!金属製品素手で触っちゃ。」 従業員の金森(唐沢寿明)が注意する。 「そうでした。塩分で錆びてしまう。失礼。」 液化炭酸ガス、アルゴンガス、天井のパイプにも、同じ様な焦げ穴がある。 「それより、わかったんですか!?  どうして人が燃えちゃったのか!」と社長。 「恐らく、自然発生したプラズマによる事故です。  何らかの理由で放電が置き、プラズマが発生して火が付いたんでしょう。  そういうことが起きやすい場所というのはあるんです。  ただ、100%そうだとは言い切れないので、  我々としては捜査を続けざるを得ません。  もし、同じ場所で、もう1度同じことが起こったら、  その時点で捜査は打ち切りなんですけどね。」 「ちょっと!」勝手な発言に驚く薫。 「それでは、失礼します。」 湯川が工場を立ちさる。慌てて湯川の後に続く薫。 二人が去ったあと、苛々した様子で地面を蹴る足のアップ。 薫は、勝手なことを言う湯川に詰め寄る。 「捜査打ち切りって何ですか!?勝手なこと言わないで下さい!」 黙って工場の回りを見渡す湯川。 同じ様な焦げ跡があちこちにある。 「どうして急に事故だなんて!  プラズマって何よ。ちゃんと説明して下さい!」 「ダメだ。まだ仮説の段階だ。  仮説は実証して初めて確かなものになる。  それまでな言えない。  それにしても···実に面白い。」 「···何が面白いのよ!!  人が死んでるのよ!  二十歳にもならなかった男の子が!」 「···」 「あなたを面白がらせるための事件じゃないの!」 「···」 「ふざけるのもいい加減にして!」 薫が湯川の前から立ち去る。 市ヶ谷の釣堀 「もう辞めましょうよ、警察に協力するのは。  本職に専念しないと、また教授会から睨まれますよ。」と栗林。 「···あんなに怒鳴られたのは初めてだ··」 「どうしたんですか?先生は人を怒らせて気にする人じゃないでしょ?」 「···栗林さん、今まで女性を怒らせたことは··」 「レンガで殴られたこともあります。ハハハ。」 「···」 警察署 「もう専門家には頼らないの?」と桜子。 「あれは専門家っていうより、ただのオタクです!  いいんです、もう。私一人で真相解明します!」 「確かにオタクかもしれないわね。ガリレオ先生は。」 「ご存知なんですか!?湯川先生のこと。」 「うん。草薙さんから話だけはね。変人だって?」 「変人とか言うまえに、人の気持ちがわからないんです、あの人!  きっとずっとエリートで生きてきたんでしょうね。  私とは根本的に違うんです。」 「理屈で勝てないなら女の武器使う!」 「武器?」 「男は女の涙に弱いでしょ。」 「涙···泣くんですか?  城ノ内先生も、そんなことするの?」 笑ってごまかす桜子。 そこへ、湯川からメールが届く。 『07/10/01 11:30  会って話したい  )`⌒′( (渦巻記号X9)-_-』 湯川の研究室 「意味不明なんですけど。」と薫。 「つまり怒っている顔の君だ。」 「は?」 「その反対側が僕。」 「間の渦巻は?」 「それは僕達の間にある誤解だ。」 「誤解?」 「僕は、自分の理解を超える現象を見たり、とてつもない難問を  目の前にすると、面白いと思ってしまう。  だからあそこで面白いと言ったのは、ふざけてたわけじゃない。  もちろん君を怒らせるつもりもなかった。」 「···で?」 「つまり、」 「もしかして、謝ってるんですか?」 「···申し訳なかった。」 「···じゃあ、どうして人が燃えたのか、教えて下さい。」 「ダメだ。まだ実証できない。   それとこれとは話が別だ。」 「···」しばし考え込む薫。 「!!  ···  私が、どうして刑事になったか。」 「···」無視してパソコンのキーボードを叩く湯川。 「私、小さい頃に、家族全員を一度に亡くしたんです。」 キーボードを叩く手が止まる。 「家族旅行で行ったロサンゼルスで、ホテルの部屋に、  いきなり、銃を持った男たちが··」 「銃!?」 「私は咄嗟に、ベッドの下に隠れたけど··  両親と姉は··」 「撃たれた!?」 泣きながら頷く薫。 「人違いで··」 「人違い!?」 「隣の部屋に、中国人の家族が泊まってて··  チャイニーズマフィアだったんです··  その時、私は刑事になろうって誓ったの。  世の中の犯罪者たちを、みんな捕まえてやるって。  そしていつか、家族を殺したやつらを··」 「···」薫のバッグの上に自分のハンカチを置く湯川。 「だからもし、今回の事件に犯人がいるなら、  どうしても捕まえたいんです!」 薫は湯川のハンカチを握り締めてそう言う。 「···」 「教えて!どうして人が燃えたのか··。  仮説がどうとか実証がどうとか、そんなのどうdめおいい!  教えて···  ウェェェェン。  お願い···」 泣き真似しながら湯川の様子を見る薫。 「·····」 湯川を助手席に乗せてどこかへ車を走らせる薫。 「どこまで行くんですか?」 「そのうちわかる。」 「ここだ。」 山奥に広がる、帝都大学第二実験場。 「何なの··」 「事件現場の再現だ。  これは炭酸ガスレーザーだ。  鉄板を溶かしたり切断したりする機械。」 「え!?レーザー?」 「SF映画に出てくるだろ。レーザー銃。」 「まさか、レーザー光線で頭を燃やしたっていうの?」 「強力なレーザー光が時田製作所から発射されたんだ。」 「はぁぁ··」 「あの工場にあった金属部品には、レーザー切断面特有のシワがあったし、  炭酸ガスのボンベも転がっていた。  あそこのどこかにこれと同じものがある。」 「ちょっと待って!時田製作所から事件現場は見えません。」 「この鏡には100%近くレーザーを反射する金がコーティングしてある。  これに当たったレーザーは、上に反射して、あそこにある鏡にあたり、  さらに反射して向こうにある鏡に当たる。  そこから右に反射してレーザーは、あの一番奥の鏡に当たり、  最終的にターゲットに当たる。  つまりこういうことだ。」 時田製作所から被害者までの図面を見せる湯川。 「僕はこの仮説を実証してみせる。」 工場→街頭→カーブミラー→被害者 「あの工場に犯人が!?  誰よ!動機は!?」 「それを調べるのは君の仕事だろ。  僕の興味は、どうすればレーザーで人の頭を燃やせるか。  それだけだ。  ただ、君の為に罠は仕掛けておいた。」 「罠?」 「プラズマ自然発生説だ。」 夜、張り込みする薫と弓削。 タバコを吸っていた弓削が車の窓を開ける。 「何も起きねーじゃないかよ··」 「まだ二日目です。そんなに都合良くは··」と薫。 「時間の無駄だったんじゃねーかな。」 弓削がタバコの煙を窓の外に吹き出す。 「あ!?」 「どうしました?」 「いや··赤い光が··」 「え!?」 タバコの煙が赤い光を映し出す。 「ほら!!」 「あ!!」 赤い光は、ゴミ置き場目がけて伸びている。 次の瞬間、ゴミ袋が突然発火した! 薫は光の来た方向へと走り出す。 カーブミラーに特殊な鏡。 電燈にも同じものが括りつけられている。 その先には、時田製作所。 一人工場に乗り込む薫。 音を立てずに奥へと進んでいくと··· 湯川の第二研究所と同じ装置が隠されていた。 工場の電気がつく。 「動かないで!!警察よ!!」 振り返った男は···金森だった。 第二実験場 薫が湯川に報告する。 「容疑者は金森タツオ42歳。  事件のあった夜金森は、被害者たちが現場に集まっているのを  確認し、レーザーを発射したそうです。」 取調室 「我慢出来なかったんです。  あの子たちが、毎晩、大声で騒いで、録音邪魔されて··。」 「録音?」弓削が聞く。 「僕は、目の不自由な人たちの為に、  朗読ボランティアをやっていまして··」 「朗読··」 「追い払いたかっただけなんです··。  ゴミ箱燃やして、脅かすつもりだったのに··  まさか···人に当たるなんて··  あんな風に燃えるなんて··」 実験場 「金森には、同情すべき点もあると思います。  だって被害者たちには、近所の人たちもみんな迷惑してたんですから。」 「M4、0.5度傾けてくれ。」湯川が研究員に指示を出す。 「でも、これで事件は解明されました。  ありがとうございました!」 「君が見た赤い糸は、ヘリウムネオンレーザーだ。  コンサートで使われるあれだよ。」 「だから、もう終わったんだから実験は、」 「犯行で使った炭酸ガスレーザーの光は目に見えない。  だから、経路の調整の為に、まず害の無いヘリウムネオンレーザーを使う。」 湯川が照明を落とすと、赤い光の線が浮かび上がる。 「ここまでは再現できる。」 「私の話、聞いてます?」 「炭酸ガスレーザーに切り替えるぞ。」 サイレンがなり、研究員たちが安全な場所へと移動していく。 同じ経路を、炭酸ガスレーザーが飛ぶ。 すると、微妙に経路がずれ、ターゲットから外れてしまい、 防壁に丸い焦げ跡を作った。 実験、失敗。 「高軸のズレや空気の温度差で全く安定しない。」と湯川。 「悔しいのはわかりましけど、」と薫。 「例えば今、あのミラーを0.01度動かすだけで、  レーザーの照射点は2メートルずれる。  それだけ精密さを要する実験だ。  もう1度測量し直してくれ!  M4を、0.05度戻して、M3を、0.02度、傾けてくれ!」 金森の音読を調べる薫と草薙。 「この秋は、例年よりも美しかった。  柔らかい陽光に包まれ、明け方は銀色、昼間は色とりどりに華やぎ、  晩は澄み切っていた。  遠くの山々は、深いビロードの青色を帯びていた。  栗の木が、黄金色に輝いている。  塀や垣根には、野生の葡萄が、紫色の葉を垂れていた。」 「金森が事件のあとに録音したテープです。  こんな善良な人間が殺人者になるなんて··悲しいですね。」と薫。 「なんか違和感あるんだよなー。  なんだろう··  湯川は何て言ってる?」と草薙。 「まだ実験してます。もうムキになっちゃって。」 「実験続けてる··」 「どうかしました?」 「その実験の費用、どうなってる?」 「は?」 「レーザーは金かかるぞー。  あいつお前に請求書回してくるからな。」 「うそ!?」 「すぐに行った方がいいんじゃないか?」 「冗談じゃないわよ!  失礼します!」 取調室 机を何度も蹴り上げる金森。 第二研究所 「ダメでーす。  また失敗··」と湯川。 「今の、何回目?」薫が聞く。 「42回目。」 「42回··  あ、もういいです、湯川先生。  被害者の頭が燃えたのは、偶然だったんですよ!」 「もう1度!」と湯川。 「もうやめて下さい!警察は払いませんよ、実験費用!」 サイレンがなり、研究員たちが移動する。 「行くぞ!」 次の実験で、レーザーがターゲットの頭を燃やす。 実験成功!喜ぶ研究員たち。 「成功だ。」と湯川。 「本当に燃えた··」驚く薫。 「人体発火の謎が解けたぞ!」 「カッとなって人を刺すバカは山ほどいるのに、  こんな遠まわしなやり方で··  気の弱い人間なのね、金森は。」と薫。 「そうかな。  43回目でやっと成功。  これは何を意味していると思う?」 「だから、被害者が燃えたのは、偶然だったんでしょう?」 「違う。犯人も同じ数だけ失敗したってことだ。」 「え!?」 「炭酸ガスレーザーの光を人に当てたらどうなるか、  金属加工の専門家なら容易に想像出来る。  それを犯人は実行しようと考えた。」 七夕の日 携帯をリモコン代わりに、機械を作動させる金森。 まずはヘリウムネオンレーザーで実験。 そして炭酸ガスレーザーに切り替える。 「しかし、簡単にはいかない。」 失敗し、悔しそうに地団駄を踏む金森。 「犯人は試行錯誤し、失敗を検証し、挑戦を繰り返した。」 ヘリウムネオンレーザーでは成功しても、 炭酸ガスレーザーでは上手くいかない。 金森の部屋の畳は、いつしか地団駄で擦り切れていた。 「犯人の頭の中には成功のイメージがある。  レーザー光が人間に命中し、その体が燃え上がる姿が。」 炭酸レーザーガスが、アヒルの銅像の目を、銅像を焦がしていく。 悔しそうに携帯を叩きつける金森。 「女の子が赤い糸を見たのは七夕の夜。  つまり、犯人は、三ヶ月以上前から、レーザーの照射を始めた。  そして僕と同じ様に、何度も失敗を繰り返し、  ついに成功した。  つまり···42回の殺人未遂があったんだ。」 「···」 二人は防壁に出来た黒い焦げ跡の点々を見つめ···。 事件の日、青年の頭に火が付いた瞬間金森は、 声を殺して笑っていた。 「この事件の犯人は、恐ろしく執念深く、  残酷な人間だ。」 「···」 湯川は落ちたマネキンの頭を手に、その場を去る。 薫は暫くその場に立ち尽くし···。 ここで、金森の音読テープが流れます。 取調室 「傷害致死で、まあせいぜい、4、5年の懲役だな。」 弓削が金森に告げる。 「でも··それで罪を償えるとは思えません··」と金森。 そこへ薫がやって来た。 「あなたは本当にお芝居が上手ね。  最初から、殺すつもりだったのね。   あれは、計画殺人。」 「違います!僕は本当にあんなことになるなんて!  自分が死にたいくらいです!」 「お前何言い出してるんだよ、急に。」弓削が薫を止める。 「人を殺したことを死ぬほど後悔してる人間が、  どうしてあんな穏やかな声で朗読できるの?」 「···」 「『車輪の下』の最終章、あれはあの事件のあとに、  録音したものでしょう!?」 「···」 弓削が薫を追い出そうとする。 その時、金森がテーブルを蹴飛ばし始める。 彼の豹変に驚く二人。 「あいつらは生ゴミだ。  生ゴミの割にはよく燃えたよ。」 金森は冷たい目でそう言い放ち、テーブルを蹴り続ける。 「それが、あなたの正体ね。」 金森は薫を睨みつけ···。 湯川のゼミ 湯川が薫の姿を見つける。 湯川に微笑む薫。 食堂 「今日金森を送検しました。ありがとうございました。」 「金森?」 「またまたー。犯人には興味ないって言いながら、  しっかり推理しちゃってたくせに。」 「ああ、あの犯人か。  僕は推理なんかしてない。あれは、物理学的に仮説を立てただけだ。」 「そういう屁理屈が大好きなんですね、湯川先生は。」 「そもそも朗読ボランティアをやってるからいい人間だなんて  全く論理的ではない。」 「私は、ウンチですか?」 「食事中に下品なことを言うな。」 「!!」 「君が僕のゼミの学生なら間違いなく評価はDだ。」 「D?」 「落第。」 「···」 大学構内 「もう!!信じられない人種だわ!!」 男子学生が薫をコンパに誘う。 「名前、何?学科どこ?」 「刑事課!!」 研究所に戻った湯川は、テレビから流れるドラマに気付く。 『その少女は両親を失った。  かわいそうに、隣の部屋に泊まっていたマフィアの家族と  間違えられたんだな。  警部!来て下さい!  一人奇跡的に助かった少女··  彼女は、世の中の全ての悪人を捕まえることを決意した。』 「なんだこれは?」湯川が栗林に聞く。 「今流行ってるアメリカの人気ドラマですよ。」 『そして、彼女は刑事になった。  動かないで!ロサンゼルス市警のクラリスよ!  女刑事·クラリス』 「その時、私は刑事になろうって決めたの。   世の中の犯罪者たちを、みんな捕まえてやるって!」 薫の言葉を思い起こす湯川。 「まったく信じられない人種だ!」 ガリレオ 第二章 『離脱る(ぬける)OL殺人と空を飛ぶ少年の謎!』 「いやー、暑いっすね··。  30度越えてるそうですよ。  9月下旬だっていうのにね··。  わかってます、今日ですよね、締め切り。  すみません。子どもが熱出しちゃって、  病院に連れて行ったりしてたんですよ。  いやでも··絶対、今日中には、原稿送りますから。  ほんとすみません。」 週刊ピーチの記者、上村宏(小市慢太郎)。 机の上には光熱費の請求書の山。 壁には、ジャーナリズム賞、いのちのメッセージ賞など、 彼の報道精神をたたえる賞状。 埃を被った過去の栄光。 現在彼は風俗関係の記事を書いている。 電話を切った上村は、あまりの暑さに笑ってしまう。 「何でこんな時に壊れるんだよ。」 恨めしそうにエアコンを見上げる。 真っ青な空に白い煙を吐き出す煙突。 汗を拭きながら買物袋を手に、楽しそうに歩く女性(虻川美穂子)。 上村は隣のエアコンの効いた部屋に顔を突っ込む涼んでいる。 その部屋には、熱を出した息子·忠広(今井悠貴)が眠っていた。 「お父さん··」 「あ··起こしちゃったか。ごめん。」 「おばちゃんが来る。」 「え?」 「タケダの、おばちゃんが来る。」 「タケダのおばちゃん?お前寝ぼけてんのか?」 笑いながら忠広の頭を撫でる上村。 その時、インターホンが鳴る。 「あれ··タケダさん。」 近所で焼肉店を営むタケダ幸恵(虻川美穂子)だ。 「なによ。  どうなの?ター君の風邪。」 「忠広!タケダさんが玉子クッパ作ってくれるってさ。」 「かわいそうに、夏の疲れが今頃出たんだ。  あ、ター君絵、描いてたの?  絵、上手だもんね。」 手早くベッドの回りを片付ける幸恵。 「何の絵描いてたの?」 「車··」 枕元にあった絵を手に取る二人。 「もっと上手く描けよ。」と上村。 「何言ってんの、熱出してんのに。  さ、クッパ作ってくるね!」 「見えたの··」 「見えた?」 「寝てたら··からだがフワっとして··  窓の外の、川の向こうに赤い車が··」 驚いたようにカーテンのかかった窓を見つめる上村と幸恵。 「··ター君そんなわけないでしょう。」 「あり得ねーよ、忠広。」 「さ、美味しいの作っちゃうからね。  上村さんも仕事して!」 「うん?手伝うの?」 忠広は熱でうつろな目で天井を見つめる。 傍らには、灰色の上に浮かび上がるような赤い車の絵。 熱のせいかもしれませんが、壁に貼ってある絵はとても上手なのに、 この絵はちょっと感じが違います。 4週間後 湯川(福山雅治)の研究所に、貝塚北署の刑事·薫(柴咲コウ)が訪ねてきた。 「湯川先生はいらっしゃいますか?  殺人事件の捜査中に、またわけのわからないことが出てきて、」 「誰か他の先生にお願いして下さい!」と栗林宏美(渡辺いっけい)。 「私だって来たくて来てるわけじゃ!」 「湯川先生はいらっしゃいません。」 「嘘!」 「嘘だ!?」 「じゃあどこにいるって言うのよ!!」 湯川はスカッシュのコートにいた。 湯川の腕前に驚く薫。 ゲームを終わらせ湯川が出てきた。 「見てたのか。」 「スカ、スカッシュ、お上手ですね。」 「スカッシュのコートは5面。  つまり3次元空間を使って、ボールの反射軌道を計算しながら  プレイする。  相手がショットした瞬間、ラケット面を見て、即座にボ、」 「また理屈ですか。」 「···」 薫のカバンの中に『超常現象大辞典』という本が入っているのを目にする湯川。 「··捜査協力の依頼なら断る。   この前のレーザーの時はたまたま興味を持っただけだ。  あれで僕が協力的だと思われちゃ、」 「なんだと思います?」薫が絵を見せる。 「この灰色が川の堤防で、赤いのが車です。」 「興味ない。」 「8歳の男の子が、自宅の部屋の窓から見えた風景を  スケッチしたものです。」 「8歳ならもう少し上手く描くように言っておいてくれ。」 そう言いコートに戻る湯川。 「実はこれが、殺人事件の容疑者のアリバイを裏付ける、  証拠になるかもしれないんです!  でもこの絵を簡単に信じるわけにはいかないの!  だってその男の子は、自分の体から抜け出して、  この風景を見たって言ってるんですから!」 「つま
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