1、韓国語の概要 概要編 第 1 課 1.韓国語(朝鮮語)とは 韓国語(朝鮮語)は、朝鮮半島全域および、中国東北部や旧ソ連・日本・米国などの一部で使用されています。 合計使用人口はおよそ7000万人程度(韓国4700万、北朝鮮2200万、中国200万、その他数十万くらい)です。 話者はほとんど全てが朝鮮民族(韓民族)であり、韓国と北朝鮮では公用語となっています。その他の地域では、 その地域の主要言語(中国語・日本語・ロシア語など)と併用されています。 文字は「ハングル」「朝鮮文字」などと呼ばれる文字を使います。この文字は人工的に作られた文字で、学びやすいように設計されているため
2、覚えるのは簡単です。 2.「韓国語」と「朝鮮語」 英語の"Korean (language)"を日本語でいう場合、主に「韓国語」「朝鮮語」という2つの言い方があります。 「朝鮮語」は「朝鮮民族の使う言葉」の意味ですから、本来はKoreanを話す地域全域で使用できるはずですが、現在韓国では「朝鮮語」とは言わず 「韓国語」と言います。韓国人に対して「朝鮮語」という言葉を使用すると、反発を招く恐れがあります。逆に、(北の)朝鮮人に対して「韓国語」と言っても同じです。 このような問題を避けるため、時として英語の「コリアン」や「コリア語」を使用する場合もあります。 また、「韓国語」
3、に対応する形として、北朝鮮の言葉という意味で「朝鮮語」を使用する場合もあります。 同じ言葉でも、地域によって発音や語彙に差があります。本講座では韓国ソウルの言葉を中心にし、 北朝鮮や中国東北部の言葉には原則として言及しない(発音や語彙に差があります)ため、本講座では「韓国語」にしています。 3.日本語との比較 韓国語(朝鮮語)は以下のような点で日本語とよく似ています。 · 語順が同じ · 助詞(いわゆる「てにをは」)を使う · 中国語から来た言葉(漢字語)が多い · などなど 日本語と似ていないところには以下のようなものがあります。 · 発音の仕方が違う
4、 · 共通する単語(漢字語・外来語以外)がほとんどない · 使う文字が違う · などなど これらの事柄は、日本人なら他の言語を学ぶ上で必ず出てくることですので、あまり気にする必要もないでしょう。 日本語と文法的に似ているため、日本人にとってはかなり学びやすい言語のうちに入ります。これは逆の場合も同じで、韓国・朝鮮人が日本語を学ぶのも、英語や中国語を学ぶよりはるかに楽です。 文字の概要 概要編 第 2 課 1.ハングル概略 韓国語を表記するときは、ハングル(한글)と呼ばれる文字を使います。この文字は人造文字で、李氏朝鮮時代の第四代国王世宗(세종:在位1418-
5、1450)の命令により、1443年に「集賢殿」という研究機関の学者たちが作ったものです。 その後、1446年10月9日に「訓民正音」(훈민정음)と名づけられ、国民に公布されました。 訓民正音が作られた当初は全部で28文字ありましたが、 その後韓国語の音が変化したことによって4文字が使用されなくなり、現在は24文字が使われています。 「ハングル(한글)」という名称は作成当初から使われていたわけではなく、近代に入って朝鮮語学者周時経(주시경:1876-1914)が命名したとされています。 「한글」とは、「한(ハン=大きい)+글(グル=文字)」で、「大いなる文字」という意味といわれています
6、 ハングルという名称は主に大韓民国(韓国)で使用されている名称です。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)では、「조선글자(朝鮮文字)」などと呼ばれています。 この講座では韓国で標準的に使用される言葉を扱いますので、한글という名称を使用します。 2.文字の構成 日本語のひらがな・カタカナは、1つの文字で1つの音のかたまりを表します(音節文字)が、 ハングルは、ローマ字のように子音文字と母音文字に分かれている(音素文字)ので、 一つの文字を書いただけでは意味をなしません。ハングルをきちんと書くためには、 いくつかの文字を「組み合わせて」書くということをしないといけません(これがまたハ
7、ングルの大きな特長でもあります)。 たとえば、「바다」(=海)は、「ㅂ」+「ㅏ」でひとかたまり、「ㄷ」+「ㅏ」で ひとかたまりになっています。 「ㅂ」は[b]( /p/ )、「ㅏ」は[a]( /a/ )を表していて、組み合わせて「바」[ba]( /pa/ )と発音します。 同様に「ㄷ」は[d]( /t/ )、「ㅏ」は[a]( /a/ )を表していて、組み合わせて「다」[da]( /ta/ )と発音します。 つまり、「ㅂ」や「ㄷ」が子音を表し、「ㅏ」が母音を表しています。 (ㅂ+ㅏ)+(ㄷ+ㅏ) =바+다 =바다 このように한글は、1文字が1音を表すという意味で「音素文字」
8、の仲間にはいりますが、その一方で「(ㅂ+ㅏ)=바」のように文字を組み合わせて、 日本語のかな文字と同じように「ひとかたまり(音節単位)でどう発音するか」まで表すことができる点がローマ字などとは大きく違う点です。 (例えばローマ字で"bada"と書いてあっても、"ba"+"da"なのか、"bad"+"a"なのか区別できません。) 以下に例をいくつか挙げます: 実際の書き方については「文字・発音編」で詳しく行います。 3.漢字 韓国でも漢字を使う場合がありますが、現在使用頻度は非常に低くなっています。北朝鮮では漢字の使用を廃止しています。 また、漢字の読み
9、方は原則1通りしかなく、日本語のように「訓読み」はありません。 歴史的に、韓国(朝鮮)は中国との関係が深く、日本と同様漢字文化圏に属します。このため、韓国語の単語には数多くの漢字語が 存在しています。現在、それらの漢字語は通常はハングルで書き表され、必要時(難しい単語や、同音意義語など)には漢字を使用する ようにしています。 韓国での漢字教育は、時期によって盛んに行われたり、全く行われなかったりを繰り返しており、年代によって漢字を読める層と 読めない層が混在しています。 使用する字体は旧字を使います。(例:韓国→韓國) 発音の概要 概要編 第 3 課 1.発音につい
10、て 韓国語では、 · 8個の母音 · 21個の子音 を区別します。ちなみに日本語では、5個の母音と15個の子音を区別します。 これらが以下のいづれかの組み合わせ(音節)で発音されます: · 母音のみ · 子音+母音 · 子音+母音+子音 · 子音+母音+子音+子音 (まれに出現) · 子音+子音+母音 · 子音+子音+母音+子音 · 子音+子音+母音+子音+子音 (まれに出現) 日本語では、母音の後ろに子音がつく発音はありません。 このように見ると、韓国語の発音は日本語の発音に比べて複雑なことが分かります。 ただ、日本語の発音にあって韓国語には無
11、いものも多くあります。例えば清音と濁音の区別(例:か-が)が韓国語にはありません。韓国語では その代わりに、息の出し方で3種類(普通・強く出す・出さない)を区別します。 韓国語にも、日本語でいう「のばす音」の区別がありますが、日本語のようにあまりはっきりとは区別されません。本講座では 基本的に無視しています。 2.アクセントについて 韓国語(ソウルなど)は、日本語の「箸」と「橋」のような、アクセントでの単語の区別をしません。単語の高低は、文自体のイントネーションに よって変化します。日本語では「無アクセント型(崩壊アクセント型)」と呼ばれる方言を話す地域で、このような現象が見ら
12、れます。 同じ韓国語や朝鮮語でも、地方では日本語と同じようなアクセントが存在します。 中国語の声調のように、音節内で音の高さが変化するようなこともありません。 文法の概要 概要編 第 4 課 1.文法について 韓国語の文法は日本語とさまざまな面でよく似ています。以下にその例を挙げます。 · 語順が同じ · 助詞(いわゆる「てにをは」)を使う · 動詞や形容詞が変化(活用)する 外国語ですので、日本語と全く同じとまではいきませんが、それでも日本人が学習する上では 最も楽な部類に入ります。 以下にいくつか例を挙げます。 例1:저는 한국에서 왔습니다.
13、 - 私は韓国から来ました。 韓国語 저 는 한국 에서 왔습니다. 日本語 私 は 韓国 から 来ました。 例2:이 파란 책을 읽다. - この青い本を読む。 韓国語 이 파란 책 을 읽다. 日本語 この 青い 本 を 読む。 日本人なら、学校で日本語の古文を学んだと思いますが、難易度的にはあの程度です。 ここからしばらくは、韓国語の文字と、その発音について学んでいきます。まずは韓国語の母音を見ていきましょう。 文字・発音編 基本的なもの 文字と発音 書き順 用例 1 2 3 ㅏ /a/
14、 아 ㅓ /ɔ/ 어 ㅗ /o/ 오 ㅜ /u/ 우 ㅡ /ɯ/ 으 ㅣ /i/ 이 ㅐ /ɛ/ 애 ㅔ /e/ 에 発音の詳細 ㅏ /a/ 舌を中ほどにして、口を大きくあけて発音します。 ㅓ /ɔ/ 舌を奥にして、口を大きく開けて発音します。 ㅗ /o/ 舌を奥にして、口をすぼめて発音します。 ㅜ /u/ 舌を奥にして、口をすぼめた上、唇を前に突き出したような形にして発音します。 ㅡ /ɯ/ 舌を奥にして、口を左右に引
15、っ張って発音します。 ㅣ /i/ 舌を前にして、口を左右に引っ張って発音します。 ㅐ /ɛ/ 口を多く開き、かつ多少口を横に引いて、舌を中ほどにおいて発音します。 この「ㅐ」の文字は、「ㅏ」と「ㅣ」を合体させたものです。 ㅔ /e/ 口を少し開き、かつ口を横に引いて、舌を中ほどにおいて発音します。 この「ㅔ」の文字は、「ㅓ」と「ㅣ」を合体させたものです。 「ㅐ」と「ㅔ」は、実際の会話では余り区別せずに使われます。 この課では、韓国語の複母音について勉強します。 1.「ㅣ」のつく複母音 複母音 基の単母音 書き順 用例 1 2
16、3 4 ㅑ /ja/ ㅏ /a/ 야 ㅒ /jɛ/ ㅐ /ɛ/ 얘 ㅕ /jɔ/ ㅓ /ɔ/ 여 ㅖ /je/ ㅔ /e/ 예 ㅛ /jo/ ㅗ /o/ 요 ㅠ /ju/ ㅜ /u/ 유 上の文字は、各単母音に、「ㅣ」がついたものです。 それぞれ、元の単母音に「や」行の子音( /j/ )がついたような感じで発音されます。 発音の詳細 ㅑ /ja/ ㅏの音に日本語のヤ行音の子音をつけたような感じの音です。 ㅒ /jɛ/
17、 ㅐの音に日本語のヤ行音の子音をつけたような感じの音です。 ㅕ /jɔ/ ㅓの音に日本語のヤ行音の子音をつけたような感じの音です。 ㅖ /je/ ㅔの音に日本語のヤ行音の子音をつけたような感じの音です。 ㅛ /jo/ ㅗの音に日本語のヤ行音の子音をつけたような感じの音です。 ㅠ /ju/ ㅜの音に日本語のヤ行音の子音をつけたような感じの音です。 2.「ㅗ」「ㅜ」のつく複母音 複母音 基の単母音 書き順 用例 1 2 3 4 5 ㅘ /wa/ ㅏ /a/ 와 ㅙ /wɛ/ ㅐ /ɛ/
18、 왜 ㅝ /wɔ/ ㅓ /ɔ/ 워 ㅞ /we/ ㅔ /e/ 웨 ㅚ /we/ ㅣ /i/ 외 ㅟ /wi/ ㅣ /i/ 위 発音の詳細 ㅘ /wa/ ㅏの音に日本語のワ行音の子音をつけたような感じの音です。 ㅙ /wɛ/ ㅐの音に日本語のワ行音の子音をつけたような感じの音です。 ㅝ /wɔ/ ㅓの音に日本語のワ行音の子音をつけたような感じの音です。 ㅞ /we/ ㅔの音に日本語のワ行音の子音をつけたような感じの音です。
19、 ㅚ /we/ ㅔの音に日本語のワ行音の子音をつけたような感じの音です。 ㅞと同じ音です。 元々は /ø/ という発音(ドイツ語のöのような音)でしたが、現在はこの発音をする人はあまりいないようです。 ㅟ /wi/ ㅣの音に日本語のワ行音の子音をつけたような感じの音です。 特に子音がつくと、しばしば /y/ (「ㅜ」の舌が前に出たような音)や /yi/ のように発音されます。(例: 쥐 /ʧyi/ ) 3.二重母音 複母音 基の単母音 書き順 用例 1 2 ㅢ /ɯi/ ㅡ /ɯ/ + ㅣ /i/ 의 発音の詳細 ㅢ
20、 /ɯi/ ㅡとㅣの音を続けて言う音です。二重母音(複数の母音を続けて発音する)は、韓国語ではこれだけです。 ここでは、韓国語の基本子音について勉強します。子音とは、唇を閉じたり、舌先を口のどこかにくっつけたりするなどして、口の中の息がさえぎられて作られる音のことをいいます。次の表は、韓国語の基本的な子音の一覧です。 基本的な子音 文字 書き順 1 2 3 4 ㄱ /k ~ g/ ㄴ /n/ ㄷ /t ~ d/ ㄹ /r/ ㅁ /m/ ㅂ /p ~ b/
21、 ㅅ /s ~ ʃ/ ㅇ(発音せず) ㅈ /ʧ ~ ʤ ~ ts ~ dz/ ㅊ ㅡ ㅊ ㅎ /h ~ ç/ 発音の詳細 ㄱ /k ~ g/ 가 /ka/ 기 /ki/ 가구 /kagu/ (家具) 日本語の「カ」あるいは「ガ」行の子音とよく似た音です。単語の最初に来た場合には「カ」行音の子音となり、単語の中ほどでは「ガ」行音の子音となります。 単語の最初で発音するときには、息を「こころもち弱め」に出して発音してください。(韓国語では「息の強さ」で区別する音がいく
22、つかあります。これらに関しては以降の課で勉強します) ㄴ /n/ 나 /na/ 니 /ɲi/ 냐 /ɲa/ 日本語の「ナ」行の子音とよく似た音です。 ㄷ /t ~ d/ 다 /ta/ 디 /ti/ 나다 /nada/ (起こる) 日本語の「タ」あるいは「ダ」行の子音とよく似た音です。単語の最初に来た場合には「タ」行音の子音となり、単語の中ほどでは「ダ」行音の子音となります。は、「チ」「ヂ」ではなく、「ティ」「ディ」になります。 単語の最初で発音するときには、息を「こころもち弱め」に出して発音してください。 ㄹ /r/ 라 /ra/ 리 /r
23、i/ 日本語の「ラ」行の子音とよく似た音です。 ㅁ /m/ 마 /ma/ 미 /mi/ 日本語の「マ」行の子音とよく似た音です。 ㅂ /p ~ b/ 바 /pa/ 비 /pi/ 나비 /nabi/ (ちょうちょ) 日本語の「パ」あるいは「バ」行の子音とよく似た音です。単語の最初に来た場合には「パ」行音の子音となり、単語の中ほどでは「バ」行音の子音となります。 単語の最初で発音するときには、息を「こころもち弱め」に出して発音してください。 ㅅ /s ~ ʃ/ 사 /sa/ 시 /ʃi/ 샤 /ʃa/ 日本語の「サ」行の子音とよく似
24、た音です。は、「スィ」ではなく、日本語の「シ」と同じになります。 ㅇ 아 /a/ 이 /i/ 前の課で勉強しましたが、この文字は、母音だけで発音する場合につける文字です。(母音の「後ろ」につく場合はまた違います。これについては以降の課で説明します) ㅈ /ʧ ~ ʤ ~ ts ~ dz/ 자 /ʧa/ 지 /ʧi/ 즈 /dzɯ/ 아주 /aʤu/ (とても) 日本語の「チャ」あるいは「ヂャ」行の子音とよく似た音です。単語の最初に来た場合には「チャ」行音の子音となり、単語の中ほどでは「ヂャ」行音の子音となります。後ろにつく母音によっては、「ツ」や「ヅ」に
25、近い発音になる場合もあります。 単語の最初で発音するときには、息を「こころもち弱め」に出して発音してください。 ㅊ 日本語の「チャ行」の音です。 ㅎ /h ~ ç/ 하 /ha/ 후 /hu/ 히 /çi/ 日本語の「ハ」行の子音とよく似た音です。 후を発音する際には、日本語のように"fu"ではなく、英語の"who"のつもりで発音してください。 「平音」「濃音」「激音」 韓国語には「平音」「濃音」「激音」という区別があります。これは、「発音するときの息の強さがどれくらいか」ということを基準に区別します。ㄱ ㄷ ㅂ ㅅ ㅈは、「平音」と呼ばれるものの部類
26、に入ります。 ㄴ ㄹ ㅁ ㅇ ㅎには、こういう区別がありませんので、息の強さは気にしなくても結構です(とはいえ、あまりに息がつよいとか、息がほとんどでない発音というのは変に聞こえますから、「普通に」発音することを心がけましょう)。 「ㅈ」の発音ですが、日本語の「ヂ」や「ジ」のつもりで発音していると、間違いが起こります。 日本語の「ヂ」や「ジ」は、 単語の最初や「ん」の後では「ヂ」(英語のJackの"j"に近い: /ʤ/ )と発音され、単語の中ほどでは「ジ」(英語のpleasureの"s"に近い: /ʒ/ )と発音される、という特徴があります。つまり、時間(じかん)と火事(か
27、じ)の「じ」の発音は、実は違うものだ、ということです。 「じかん」の「じ」は、舌先を弾いて発音する「ヂ」 /ʤi/ ですが、「かじ」の「じ」は、舌先が上あごにつかない(単に近づけるだけ)で発音する「ジ」 /ʒi/ です。なぜこうなるかというと、「そのほうが発音しやすいから」ということなんですね。 韓国語のㅈは、いつでも「じかん」の「じ」の子音 /ʤ/ (あるいは「ち」の子音 /ʧ/ )の発音になります。(ちなみに「かじ」の「じ」という音は、韓国語には存在しません) 韓国語はとても「きつい」感じがするなあと感じられる方も多いと思います。それは韓国語に「激音」や「濃音」があるからです。
28、「激音」は息を強く出し、「濃音」は息をほとんど出さずに発音します。 1.激音 激音とは、「息を強く出して発音する」音のことです。このような区別の方法は日本語にはありませんが、中国語などではこの区別があります(中国語では「有気音」という言い方をします)。韓国語には、以下のような激音があります。 文字 書き順 1 2 3 4 ㅋ /kʰ/ ㅌ /tʰ/ ㅍ /pʰ/ ㅊ /ʧʰ/ 発音の詳細 ㅋ /kʰ/ 카 /kʰa/ 키 /kʰi/ ㄱを、息を強く出して言う音です。 ㅌ /
29、tʰ/ 타 /tʰa/ 티 /tʰi/ ㄷを、息を強く出して言う音です。 ㅍ /pʰ/ 파 /pʰa/ 피 /pʰi/ ㄷを、息を強く出して言う音です。 ㅊ /ʧʰ/ 차 /ʧʰa/ 치 /ʧʰi/ ㅈを、息を強く出して言う音です。 2.濃音 濃音とは、「息を(ほとんど)出さずに発音する」音のことです。硬く聞こえるので、「硬音」という言い方もします。このような区別の仕方も日本語にはありません。韓国語には、以下のような濃音があります。 文字 書き順 1 2 ㄲ /ˀk/ ㄱ ㄲ ㄸ /ˀt/ ㄷ ㄸ ㅃ /ˀp/ ㅂ
30、 ㅃ ㅆ /ˀs/ ㅅ ㅆ ㅉ /ˀtʒ/ ㅈ ㅉ 発音の詳細 ㄲ /ˀk/ 까 /ˀka/ 끼 /ˀki/ ㄱを、息を出さずに言う音です。 ㄸ /ˀt/ 따 /ˀta/ 띠 /ˀti/ ㄷを、息を出さずに言う音です。 ㅃ /ˀp/ 빠 /ˀpa/ 삐 /ˀpi/ ㅂを、息を出さずに言う音です。 ㅆ /ˀs/ 싸 /ˀsa/ 씨 /ˀʃi/ ㅅを、息を出さずに言う音です。 ㅉ /ˀtʒ/ 짜 /ˀtʒa/ 찌 /ˀtʒi/ ㅈを、息を出さずに言う音です。 日本語の「清音・濁音」と 韓国語の「息の強
31、さ」 日本人にはなかなか分かりづらいかも知れませんが、日本人が「清音」(例:か)と「濁音」(例:が)を区別するように、韓国語では、「平音」(例:ㄱ)、「激音」(例:ㅋ)、「濃音」(例:ㄲ)をはっきり区別します。 これらの音は、おおよそ「息がどれくらいの勢いで出るか?」ということで区別しています。 こういう概念は日本語にはないので、要注意です。 日本語の場合は、息がどれくらいの勢いで出るかではなく、「発音するときに声が出るか(声帯が震えるか)」で区別します。こういう概念は逆に韓国語にはないので、韓国語を母国語とする人にとって、日本語を学ぶときにしばしば問題になるところです。 パッ
32、チム(終音) 今までは、「子音」+「母音」の発音の組み合わせを主に学習してきましたが、本課からは「子音」+「母音」+「子音」の組み合わせも合わせて学習します。 1.ハングルの組み合わせ ハングルの組み合わせの形には、次の6種類があります。 · 母音のみ: 아 /a/ 야 /ja/ · 子音+母音: 가 /ka/ 보 /po/ · 母音+子音: 안 /an/ 온 /on/ · 子音+母音+子音: 낙 /nak/ 불 /pul/ · 母音+子音+子音: 않 /an/ 읽 /il/ · 子音+母音+子音+子音: 값 /kap/ 볷 /pok/ 母音の後
33、ろについた子音のことを、「받침」(パッチム:終音)といいます。上の例では、3の「ㄴ」、4の「ㄱ」「ㄹ」、5の「ㄶ」「ㄺ」、6の「ㅄ」「ㄳ」がそれにあたります。 2.받침の発音 韓国語のとして成り立つことができる文字の数は27個ありますが、その発音の数は以下の7つに集約されます。 1.ㄱ /k/ になるもの: ㄱ / ㅋ / ㄲ / ㄳ / ㄺ 例:악 엌 낚 몫 앍 母音を発音した後に、「ㄱ」の発音をするつもりで舌の後ろを引き上げて、そこで止めます。引き上げた後に舌を弾かないようにしましょう。 悪い例:악 よい例:악 2.ㄷ /t/ になるもの: ㄷ / ㅅ / ㅈ /
34、ㅊ / ㅌ / ㅎ / ㅆ 例:얻 앗 잦 갗 앝 좋 있 母音を発音した後に、「ㄷ」の発音をするつもりで舌の前を歯茎につけて、そこで止めます。つけた後に舌を弾かないようにしましょう。 悪い例:앗 よい例:앗 3.ㅂ /p/ になるもの: ㅂ / ㅍ / ㅄ / ㄼ 例:압 앞 없 母音を発音した後に、「ㅂ」の発音をするつもりでくちびるを閉じて、そこで止めます。閉じた後にくちびるを弾かないようにしましょう。 悪い例:압 よい例:압 4.ㅇ /ŋ/ になるもの: ㅇ 例:앙 母音を発音した後に、舌を後ろを引き上げ、上あごの後ろに舌をつけて(つまり「ㄱ」と同じ感じで
35、息を鼻から出す感じで発音します。この際舌を弾かないようにします。 注意:「ㅇ」は、母音の前に来る際には発音しませんが、母音の後ろにきてパッチムになると、上のように発音します。 5.ㄴ /n/ になるもの: ㄴ / ㄵ / ㄶ 例:안 앉 않 母音を発音した後に、「ㄴ」の発音をするつもりで舌の前を歯茎につけ、息を鼻から出す感じで発音します。つけた後に舌を弾かないようにしましょう。 6.ㅁ /m/ になるもの: ㅁ / ㄻ 例:암 앎 母音を発音した後に、「ㅁ」の発音をするつもりでくちびるを閉じて、息を鼻から出す感じで発音します。閉じた後にくちびるを弾かないようにしましょ
36、う。 7.ㄹ /l/ になるもの: ㄹ / ㄺ / ㄼ / ㄽ / ㄾ / ㅀ 例:알 앍 母音を発音した後に、舌先を歯茎につけて、舌の両側から声を出すように発音します。英語の"l"とよく似ています。このように、「ㄹ」は母音の前と母音の後では多少発音が違うので注意しましょう。 上のように、받침に使う文字は27種類ありますが、実際の発音は7種類になってしまいます。ではなぜ同じ発音で書き方がたくさんあるかというと、받침を持った字の後ろに何か別の文字が来ると、받침を持った字又はその後ろに来た文字の発音が、받침の文字によってそれぞれ変わるためです。 例: 있 /it/ (動詞있다
37、ある)の語幹)->있어서 /iˀsɔsɔ/ (あって) 좋 /ʧot/ (形容詞좋다(よい)の語幹)->좋아서 /ʧoasɔ/ (よくて) これらの変化については、次回以降の課で詳しく学習します。 「ㄱ、ㄷ、ㅂ」 / 「ㅇ、ㄴ、ㅁ」の発音は、皆同じに聞こえてしまうかも知れません。しかし韓国語ではこれらを明確に区別するので、頑張って区別できるようにしましょう。 받침・パッチム 母音と子音を1つづつ組み合わせて文字を作ってきましたが、母音と子音にもう一つの子音を加えて 文字を作ることができます。この第3の子音のことをパッチムと呼びます。パッチムになり得る子音は 次
38、のものがあります。 ◆パッチム k (ク) ・・・ ㄱ ㅋ ㄲ ㄳ n (ン) ・・・ ㄴ ㄵ ㄶ t (ツ) ・・・ ㄷ ㅌ ㅅ ㅈ ㅊ ㅎ ㅆ r (ル) ・・・ ㄹ ㄺ ㄻ ㄽ ㄾ ㄼ ㄿ ㅀ m (ム) ・・・ ㅁ p (プ) ・・・ ㅂ ㅍ ㅄ ng (ン) ・・・ ㅇ 下の例を見て下さい。 김 「기(キ)」という文字の下に「ㅁ」がくっついています。これで「(김)キム※」と発音します。 発音に注意して下さい。「キム」と「ム」をはっきり発音しません。「ム」は発音するか
39、しないか、寧ろ「ン」に 近い音です。「김치」これで「キムチ」を表しますが、日本語の「キムチ」のような発音にはなりません。ネイティブが話すのを 聞いていると「キンチ」に聞こえます。だからといって「ム」を完全に「ン」と発音するわけでもありません。 その他のパッチムが組み合わさった文字の発音です。 간 (カン) ・・・ そのまま「カン」と発音します 산 (サン) ・・・ そのまま「サン」と発音します 책 (チェク) ・・・ 後ろの「ク」は殆ど発音しません 국 (クク) ・・・ 後ろの「ク」は殆ど発音しません 밥 (パプ) ・・・ 後ろ
40、の「プ」は殆ど発音しません 슬 (スル) ・・・ 後ろの「ル」は殆ど発音しません 옷 (オッ) ・・・ 「オットセイ」を発音するときの「オッ」です。 맛 (マッ) ・・・ 「抹茶(マッチャ)」を発音するときの「マッ」です。 값 (カプ) ・・・ 後ろの「プ」は殆ど発音しません 닭 (タク) ・・・ 後ろの「ク」は殆ど発音しません 삯 (サク) ・・・ 後ろの「ク」は殆ど発音しません 없 (オプ) ・・・ 後ろの「プ」は殆ど発音しません 많 (マーン) ・・・ そのまま「マーン」と発音します 앉 (アン) ・・・ 後ろの「ン
41、」は殆ど発音しません 강 (カン) ・・・ 後ろの「ン」は殆ど発音しません 下の表は、本講座内で使用している対照表です。 自分の名前や出身地をハングルで書いたりする場合にご使用ください。 あ い う え お は ひ ふ へ ほ 아 이 우 에 오 하 히 후 헤 호 か き く け こ ま み む め も 카 가 키 기 쿠 구 케 게 코 고 마 미 무 메 모 さ し す せ そ や ゆ よ 사 시 스 세 소
42、 야 유 요 た ち つ て と ら り る れ ろ 타 다 치 지 츠 즈 테 데 토 도 라 리 루 레 로 な に ぬ ね の わ ゐ ゑ を 나 니 누 네 노 와 이 에 오 が ぎ ぐ げ ご ば び ぶ べ ぼ 가 기 구 게 고 바 비 부 베 보 ざ じ ず ぜ ぞ ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ 자 지 즈 제 조 파 바 피 비 푸 부 페 베
43、 포 보 だ ぢ づ で ど 다 지 즈 데 도 きゃ きゅ きょ ぎゃ ぎゅ ぎょ 캬 갸 큐 규 쿄 교 갸 규 교 しゃ しゅ しょ じゃ じゅ じょ 샤 슈 쇼 자 주 조 ちゃ ちゅ ちょ 차 자 추 주 초 조 にゃ にゅ にょ 냐 뉴 뇨 ひゃ
44、 ひゅ ひょ 햐 휴 효 びゃ びゅ びょ ぴゃ ぴゅ ぴょ 뱌 뷰 뵤 퍄 뱌 퓨 뷰 표 뵤 みゃ みゅ みょ りゃ りゅ りょ 먀 뮤 묘 랴 류 료 2種類あるものに関しては、以下のように書きます: ・単語の最初の文字の場合、2段目(平音)を使う ・単語の最初の文字でない場合、1段目(激音)を使う 例:たなか → 다나카 (注:本講座内では、便宜上、単語の最初の文字にも
45、1段目を使用しています) ・「ん」は、上の表の文字にパッチム「ㄴ」をつけて表します。 例:신지「しんじ」 ・小さい「っ」は、上の表の文字にパッチム「ㅅ」をつけて表します。 例:왓카나이「稚内」 ・伸ばす音「-」は、表記しないか、同じ母音を続けて書きます。また、「おう」の場合、「오우」でもよいです。 例:오사카, 오오사카「大阪」 고이치 고우이치「こういち」 表記の「ぶれ」 外国語をハングルで表そうとする話ですので、人や集団によって、同じ言葉や名前が別の書き方で書かれることも多くあります。 例えば「田中」さんの場合、「다나카」「타나카」「다나까」「따나까」な
46、どの書き方が見られます。 日本語でも、例えば韓国人の姓「朴(박)」を、「パク」あるいは「バク」どちらも使われるのと同様です。 なまってしまう問題 ハングルは韓国語のためのものであって、日本語を表記するためのものではありません。このため、日本語をハングルで表記して、それを韓国人に 発音させると、「ありゃ?」と思うことがあります。例えば: · 堂本 - 도모토 - 「とうもと」(「ど」が「と」) →単語の最初の濁音は、どうしても清音に発音されてしまいます。 · 中崎(なかざき) - 나카자키 - 「なかぢゃき」に聞こえる →韓国語には「ざ」行の音がないため、「ぢゃ」「ぢゅ」
47、「ぢょ」に聞こえる場合が多いです。 これらの問題は、もうどうしようもないので、あきらめてください。 辞書順では、 · 文字単体 · 子音+母音 · 子音+母音+パッチム の順に並んでいます。例えば「바다」「ㅂ니다」「받침」は、次のように並びます: · ㅂ니다 · 바다 · 받침 韓国語学習をまじめにやろうと思うのであれば、最低でも韓日辞書は一冊必要になります。 最近では、中規模以上の本屋であれば大抵韓日辞書・日韓辞書がおいてありますので、入手はそれほど困難ではありません。 また、遠隔地や過疎地にお住まいの場合でも、オンライン書店でインターネットを通じて購入
48、できます。 文法基本的なこと 文法編 第 1 課 この課では、韓国語の文法で最低限覚えておくとよい、基本的なことを説明します。 1.基本的な語順 韓国語の語順は、日本語とほぼ同じと考えて構いません。主な語順としては: · 述語が文の最後につく 私は 本を 読む 저는 책을 읽다 · 上と下は1対1で対応しています。 · 修飾語が被修飾語の前につく 大きい 人 큰 사람 · 上と下は1対1で対応しています。 一部語順が違う場合もありますが、そのようなものはごく少数です。ほとんどの場合、日本語の語順で処理していけば問題ありません。
49、 2.助詞・助動詞を使うこと 日本語同様、助詞や助動詞も使います。 助詞の例: 人 が 사람 이 私 と 저 와 助動詞の例: し て 하 고 助動詞がつくときに、動詞の語幹が変化する場合があります。これは日本語でも例えば「行く」が「行か-ない」のように変化するのと同様です。 こそあど 文法編 第 2 課 이 / 그 / 저 / 어느 この / その / あの / どの 이것 / 그것 / 저것 / 어느 것 これ / それ / あれ / どれ 이쪽 / 그쪽 / 저쪽 / 어느 쪽 こちら / そちら / あちら / どちら 여
50、기 / 거기 / 저기 / 어디 ここ / そこ / あそこ / どこ 日本語と同様、韓国語にも「こそあど」に似たものがあります。 1.이 / 그 / 저 / 어느 韓国語の「こそあど」の基本です。これらの後ろに名詞をつけると、「この/その/あの/どの」の意味で使えます。 · 이 사람(この人) / 그 사람(その人) / 저 사람(あの人) / 어느 사람(どの人) (사람: 人) · 이 책(この本) / 그 책(その本) / 저 책(あの本) / 어느 책(どの本) (책: 本) 2.이것 / 그것 / 저것 / 어느 것 日本語の「これ/それ/あれ/
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