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6 『震撼リストラゲム 敗者復活戦始まる!!』
「私の名前は神崎直。
ライアーゲームという、恐ろしいゲームに、
ある日突然巻き込まれてしまいました。
そこで行われていたのは、少数派。
熾烈な騙しあいの末に、最後まで勝ち残ったのは、
秋山さんでした。
でも、その賞金は、他のプレイヤーたちに分配する約束に
なっていました。
結果、秋山さんは棄権する為に必要なお金を失い・・・。
その後、私は秋山さんの過去を知らされました。
マルチ詐欺によって、秋山さんのお母さんが、
自ら命を絶ったこと。
復讐の為に、その、マルチ組織を壊滅させたこと。
そして、なぜ私を助けようとしてくれたのかということ。
秋山さんが助けたい、
秋山さんがゲームを棄権するためのお金を手に入れたい、
その為に、私は自らの意思で戻ってきたのです。
ライアーゲームという名の、恐ろしい戦いの場に。」
“ライアーゲーム”の敗者復活戦に参加することになった
神崎直(戸田恵梨香)。
ゲームは参加者9人の中から1人の敗者を投票で決める
“リストラゲーム”だ。
投票用紙に自分以外の5名の名前を記入していき、
1時間毎に行われる10回の投票で最も票が少なかった
プレイヤー1人が1億円の借金を背負って敗退となり、
優勝者には賞金1億円と3回戦を棄権する権利が与えられる。
また参加者には1億円分の“Mチケット”が配られ、
その金額内であればプレイヤー同士で物が売買できるという
ルールだ。
ゲームが始まり、情報を得るために他のプレイヤーを探ろうとする
直だが場が和やかな雰囲気であることに気づく。
不思議に感じる直にエトウコウイチ(和田聰宏)は、
2回戦でみんなを裏切ったフクナガユウジ(鈴木浩介)をリ
ストラすることで話しがついてるからだと説明した。
そこにフクナガが近づいてきた。
自分がリストラされるのを承知したうえで、メンバー同士で
ゲームにかける思いをアピールしようと言い出すフクナガ。
「俺はみんなの話を聞いているだけでいい。
だって今更何をアピールしたって無駄なのはわかってるからさ。
でも・・・みんなにとっては大事なことなんじゃないの?
だってみんな3回戦に進むんでしょう?
その時、ここにいる8人が、また敵同士になるんだよ。
だったら時間を無駄にしないためにも、みんな考えておいた
方がいい。
次に切り捨てるべきなのは誰なのか。」
フクナガのこの言葉に納得したプレイヤーたちは、
自分が勝ちたい思いをアピールしていく。
最後に直の番が回ってきた。
「あ、そうだ。ちょっと待った。
アピールの前に聞いておきたいんだけどさ、
君、何でここにいるの?」とフクナガ。
「何でって・・
私は、事務局の人に、敗者復活戦のことを教えてもらいましたから。」
「いや、そういうことじゃなくってさ。
借金って、いくらあるんだっけ?」
「借金は、ありませんけど。」
「借金が、ない?」
直が正直に無いと答えた瞬間、場の空気が変わった。
多額の借金を背負っているプレイヤーたちは直に怒りの目を向け、
フクナガの思惑通り直はあっという間にリストラ候補となって
しまったのだ。
慌てて秋山深一(松田翔太)を助けるための参加だと説明しようと
するが誰も聞いてくれず孤立してしまった直。
「私はやっと気付いた。
これが、フクナガさんの作戦だったのだ。
私のことを、リストラ候補にするための作戦。
私は・・・はめられた。」
孤立した直の元へフクナガがやってきた。
「完全に孤立しちゃったね、直ちゃん。」
「フクナガさんのせいじゃないですか!
フクナガさんがみんなにあんなこと言うから。」
「俺は事実を言ったまでだ!人のせいにするな!!」
「・・・」
「直ちゃん。どうして俺があんなこと言ったんだと思う?」
「・・・私を、リストラ候補にする為に・・」
「違う!
俺と君が、確実に勝ち残るためなんだ。
俺と手を組まないか?」
「え・・」
「このゲームには、必勝法がある!
俺と直ちゃんが手を組めば、このゲームに必ず勝てる。
これが、リストラしたいプレイヤーに投票するゲームだったら、
間違いなく俺か直ちゃんが選ばれただろうな。
でもこれは、3回戦進ませてあげたいプレイヤーを選ぶゲームだろ?」
「はい。」
「自分には投票は出来ない。
ということは、必ず他の誰かに投票しなければいけない。
だったら、二人で票を確保すればいい。」
「二人で・・あ!」
「そう!俺と直ちゃんがお互いに投票しあえばいいんだよ!
記入欄は5個。
それを自由に使っていいわけだから、俺と君は5個全部に
お互いの名前を書いて投票するんだ。
投票は全部で10回だから、これで俺たちは50票を確保出来る。
この段階でもう俺たちが負けることはない。
他の7人のプレイヤーが俺たちのどちらかを最下位にしたいなら、
連中は全員51票取る必要がある。
でも、それは不可能なんだ。
なぜなら、他のプレイヤーもそれぞれ50票ずつしか投票出来ない。
ということは、公平に票を分け合ったら、結局、
一人50票しか獲得出来ないんだよ。」
「でも、それだと確かに負けることはないですけど、
横並びで勝負がつかないんじゃないんですか?」
「そうなる可能性は低い。
連中に票の交換なんて考え付くわけがない。
だって、そのためのアピールタイムだったんだから。
あのアピールタイムで、俺と直ちゃんという二人の絶対的な
悪者が生まれたからね。
お陰で連中は何もしなくても俺か直ちゃんのどちらかが
必ず負けると安心しきってる。
だから作戦なんか立てる必要ないと考えているはずだ。
でもそれが、やつらの油断なんだよ。
均等に票がいきわたれば、全員5票ずつ獲得していくだろ?
でも実際は、差が出るはずだ。
そして、1回目の投票で5票獲得出来なかったやつは、
もう俺たちに勝つことは出来ないんだよ。」
「どうしてですか?」
「例えば、1回目で4票だったやつが、慌てて誰かと票の交換を
はじめたとする。
でも、残り9回で5票ずつ交換しても、獲得できるのは45表。
最初の4票と合わせても、49票にしかならない。
だから、俺達が確保している50票には、絶対届かないんだ!
このゲームは、一度沈んだノロマは二度と浮かび上がれない
仕組みになっているんだ。
だからこそ俺と直ちゃんが手を組めば、100%勝てる!」
「すごい・・」
「完璧だろ、この作戦。
もちろん協力してくれるよね!」
「・・」
「何だよ、まだ疑ってるの?」
「いや、そうじゃなくて・・
リストラされた人は、また借金を背負うんですよね。」
「あのさ、一つ覚えておきなよ。
世の中にはみんなが幸せになれる方法なんて存在しない!」
「そんな・・そんなこと・・」
「本当だよ。
奪う側奪われる側損するヤツ得するヤツ、
きっちりわかれている。
他人の心配なんてするだけ無駄なんだ!」
「そんなことありません!
自分だけが良ければいいなんてそんな考え方!」
「それでこのゲームに勝てるのか!?
そんなこと言ってたら負けるんだよ、確実に!
それでもいいのか!?」
「・・・」
「もう一回聞くよ。
協力、してくれるよね。」
直が頷く。
「よし。同盟成立だ。
じゃ、そういうことで。」
「あの・・
何で、助けてくれるんですか?私のこと。」
「お互い様だよ。
だってこの作戦がなきゃ、俺か直ちゃんのどっちかが
負けるんだから。
それに・・直ちゃん見てるとさ、危なっかしくてほっとけないんだよね。」
「フクナガさん・・」
「じゃ、投票よろしくね!」
「はい!」
「みんなが幸せになれる方法なんて・・・存在しないか・・。」
一人になると、直はそう呟いた。
一方、街を歩く秋山の前へ谷村光男(渡辺いっけい)が現れた。
「事務局からのメッセージだ。
3回戦を楽しみにしていろ。
逃げられるなと思うなよ。
なあ、お前、まさか、自分がたまたまこのゲームに巻き込まれた
なんて思ってたんじゃないだろうな。
そんなわけないだろ。
お前がこのゲームに参加することは、最初から決まってたんだよ。
3年前の礼は・・・必ずさせてもらう。」
谷村に掴みかかる秋山。
「どういう意味だ!」
「もっと面白いことを教えてやる!
3年前に死んだマルチの代表者、
あれ、ダミーなんだよ。」
「・・・」
「お前の復讐は・・・失敗してたんだよ。」
怒りと驚きで立ち尽くす秋山。
1回目の投票が終わった。
結果はフクナガが10票、7名が5票、そして直は0票だった。
結果に呆然とする直。
「フクナガさんどういうことですか!?
約束したじゃないですか!
私に5票入れてくれるって。」
「ああ、約束したよ。
でも守るわけないじゃーん!」
「・・・」
「これはライアーゲーム。
騙しあいのゲームだぜ。」
「酷い・・酷い・・又騙したんですか・・」
「そうだよ。
前にも言っただろ。騙される方が悪いって。
直ちゃん、君は僕が勝ちあがるための生贄なんだ!」
フクナガの高笑いが響き渡る。
「ダメだ・・泣いてちゃダメだ・・
誰かに頼まなきゃ・・
同情してもらえるように・・・」
直は挽回を図ろうとプレイヤーに話しけるが、
誰1人として直の話を聞いてくれない。
2回目、3回目の投票が終わっても直は0票のままだった。
泣き崩れる直に声を掛けるエリー(吉瀬美智子)。
「このままだとあなたは敗北します。
どうなさるおつもりですか?」
「どうすればいいのか・・わかりません。」
「もう、あきらめると?」
「あきらめたくないです!
でも・・」
泣きながら立ち去る直を見つめるエリー。
秋山の携帯電話に非通知の着信が入った。
電話を聞きながら驚きの表情を浮かべる秋山。
同じ頃、敗者復活戦の会場ではエトウが直に近づいてきた。
「これ、あげるよ。
金とかいらないから。
だって・・俺、こんなことしか出来ないし。」
エトウがジュースを差し出す。
「あのさ、直ちゃんに、悪いと思ってるんだよね。
この間、俺のこと庇ってくれたのにさ。
だから、君に票を入れてあげたかったんだけど、
今は、それも出来なくなったから。」
「それ、どういうことですか?」
「やっぱり、知らないんだ。
どうして君に一票も入らないか。」
「知りません。
エトウさんは何か知っているんですか?」
「直ちゃんさ、フクナガと、票を交換する作戦立ててたよね。」
「はい。」
「その作戦、俺たちも考えてたんだよ。
俺ら7人、全員で票を交換する予定だったんだ。
そしたら・・・」
「悪いけどさ、俺と直ちゃん、手を組んでるよ。」
フクナガが7人に言う。
「そしたら・・全員50票で並んじまうってことか?」
「甘いんだよ。
みんなの中の誰かが負けるに決まってんじゃん。
みなさん肝心なことを忘れてません?
神崎直は金を持ってるんだよ。
50票で横並びになれば、必ず金が物を言う!
例えば、あんたに直ちゃんがこう言ったらどうする?
4000万円あげるから、自分に票を入れて下さい、とかさ。
みんな1億の借金があるんだよ。
金は少しでも欲しいはずだ。
そんな状況で取引持ちかけられて、全員がそれを断れるか?
わかりました。
金持ってる直ちゃんと、その直ちゃんと組んでいる俺が安全圏で、 みなさんは、この中の誰かが負けるかもしれないという
危機的状況にある!!
でもね、本当は俺、みんなに協力しに来たんだ。
一人500万。
合計で3500万払うなら、みんなのこと救ってやるよ。」
「救うってどうやってよ。」
「裏切るんだよ、俺が。神崎直を。」
「裏切る!?」
「俺があの小娘に入れるはずだった50票をみんなに回してやる。」
「でも・・」
「頭使いなよ。勝ち残った時の賞金は1250万。
俺に500万払っても、リストラされて2億の借金抱えるよりは
全然マシだろ?」
「でも僕ら、今はまだ500万なんてお金持ってないし・・」
「あるじゃん、ここに。
これだよ。このMチケットで買うんだ、俺の裏切りを。
戦略作戦必勝法。このMチケットは、そういう形のないものを
売り買いする為にあるんだよ!
さあどうする?俺の戦略・・・買う?買わない?」
エトウのMチケットは9500万に減っていた。
「俺たちは買ってしまったんだ。
フクナガの戦略を・・。」
「そんな・・
じゃあ、私も買います!
賞金全部払いますから、エトウさんの票を私に下さい!」
「それは!・・それは出来ない。」
「どうしてですか?」
「Mチケットの契約が成立しているから。
悔しいけど、あいつ頭がいいよ。
いつも俺たちの先を行ってる。
俺たちには、物を売買するっていう考え方しかなかっただろ。
だからこのゲームで、こいつの使い道なんてないと思ってた。
だけどフクナガは、Mチケットを契約書として使うんだ。
フクナガと俺は、Mチケットでお互いに相手の票を1円で
買ったんだ。」
「1円で?」
「金額なんて何でもいいんだよ。
こうすれば、お互い1円ずつ払ってプラマイゼロ。
あとは契約だけが残るだろ?
この契約は破れない。
破ったらペナルティー1億だから。」
「他の人たちも・・みんな?」
「フクナガの指示で、誰が誰に投票するか、
10回目まできっちりMチケットに書かされてるんだ。」
「そんな・・・」
「だから・・本当に悪いと思うけど・・
君にはもう・・勝ち目はないんだよ。」
「・・・」
二人の後ろにフクナガが立っていた。
「直ちゃんには近寄らないでって言ったよね。
日本語わかんないのかな!?」
エトウに掴みかかるフクナガ。
「まあいいや。作戦はもう完了しているからさ。」
エトウが部屋から走り去る。
「エトウさん!」
「だから言ったろ。他人の心配なんてするだけ無駄だって。」
「・・・」
「お前はここで落ちるんだよ!
確実にな。」
7 『震撼リストラゲム 敗者復活戦始まる!!』
「私の名前は神崎直。
ライアーゲームという、恐ろしいゲームに、
ある日突然巻き込まれてしまいました。
そこで行われていたのは、少数派。
熾烈な騙しあいの末に、最後まで勝ち残ったのは、
秋山さんでした。
でも、その賞金は、他のプレイヤーたちに分配する約束に
なっていました。
結果、秋山さんは棄権する為に必要なお金を失い・・・。
その後、私は秋山さんの過去を知らされました。
マルチ詐欺によって、秋山さんのお母さんが、
自ら命を絶ったこと。
復讐の為に、その、マルチ組織を壊滅させたこと。
そして、なぜ私を助けようとしてくれたのかということ。
秋山さんが助けたい、
秋山さんがゲームを棄権するためのお金を手に入れたい、
その為に、私は自らの意思で戻ってきたのです。
ライアーゲームという名の、恐ろしい戦いの場に。」
“ライアーゲーム”の敗者復活戦に参加することになった
神崎直(戸田恵梨香)。
ゲームは参加者9人の中から1人の敗者を投票で決める
“リストラゲーム”だ。
投票用紙に自分以外の5名の名前を記入していき、
1時間毎に行われる10回の投票で最も票が少なかった
プレイヤー1人が1億円の借金を背負って敗退となり、
優勝者には賞金1億円と3回戦を棄権する権利が与えられる。
また参加者には1億円分の“Mチケット”が配られ、
その金額内であればプレイヤー同士で物が売買できるという
ルールだ。
ゲームが始まり、情報を得るために他のプレイヤーを探ろうとする
直だが場が和やかな雰囲気であることに気づく。
不思議に感じる直にエトウコウイチ(和田聰宏)は、
2回戦でみんなを裏切ったフクナガユウジ(鈴木浩介)をリ
ストラすることで話しがついてるからだと説明した。
そこにフクナガが近づいてきた。
自分がリストラされるのを承知したうえで、メンバー同士で
ゲームにかける思いをアピールしようと言い出すフクナガ。
「俺はみんなの話を聞いているだけでいい。
だって今更何をアピールしたって無駄なのはわかってるからさ。
でも・・・みんなにとっては大事なことなんじゃないの?
だってみんな3回戦に進むんでしょう?
その時、ここにいる8人が、また敵同士になるんだよ。
だったら時間を無駄にしないためにも、みんな考えておいた
方がいい。
次に切り捨てるべきなのは誰なのか。」
フクナガのこの言葉に納得したプレイヤーたちは、
自分が勝ちたい思いをアピールしていく。
最後に直の番が回ってきた。
「あ、そうだ。ちょっと待った。
アピールの前に聞いておきたいんだけどさ、
君、何でここにいるの?」とフクナガ。
「何でって・・
私は、事務局の人に、敗者復活戦のことを教えてもらいましたから。」
「いや、そういうことじゃなくってさ。
借金って、いくらあるんだっけ?」
「借金は、ありませんけど。」
「借金が、ない?」
直が正直に無いと答えた瞬間、場の空気が変わった。
多額の借金を背負っているプレイヤーたちは直に怒りの目を向け、
フクナガの思惑通り直はあっという間にリストラ候補となって
しまったのだ。
慌てて秋山深一(松田翔太)を助けるための参加だと説明しようと
するが誰も聞いてくれず孤立してしまった直。
「私はやっと気付いた。
これが、フクナガさんの作戦だったのだ。
私のことを、リストラ候補にするための作戦。
私は・・・はめられた。」
孤立した直の元へフクナガがやってきた。
「完全に孤立しちゃったね、直ちゃん。」
「フクナガさんのせいじゃないですか!
フクナガさんがみんなにあんなこと言うから。」
「俺は事実を言ったまでだ!人のせいにするな!!」
「・・・」
「直ちゃん。どうして俺があんなこと言ったんだと思う?」
「・・・私を、リストラ候補にする為に・・」
「違う!
俺と君が、確実に勝ち残るためなんだ。
俺と手を組まないか?」
「え・・」
「このゲームには、必勝法がある!
俺と直ちゃんが手を組めば、このゲームに必ず勝てる。
これが、リストラしたいプレイヤーに投票するゲームだったら、
間違いなく俺か直ちゃんが選ばれただろうな。
でもこれは、3回戦進ませてあげたいプレイヤーを選ぶゲームだろ?」
「はい。」
「自分には投票は出来ない。
ということは、必ず他の誰かに投票しなければいけない。
だったら、二人で票を確保すればいい。」
「二人で・・あ!」
「そう!俺と直ちゃんがお互いに投票しあえばいいんだよ!
記入欄は5個。
それを自由に使っていいわけだから、俺と君は5個全部に
お互いの名前を書いて投票するんだ。
投票は全部で10回だから、これで俺たちは50票を確保出来る。
この段階でもう俺たちが負けることはない。
他の7人のプレイヤーが俺たちのどちらかを最下位にしたいなら、
連中は全員51票取る必要がある。
でも、それは不可能なんだ。
なぜなら、他のプレイヤーもそれぞれ50票ずつしか投票出来ない。
ということは、公平に票を分け合ったら、結局、
一人50票しか獲得出来ないんだよ。」
「でも、それだと確かに負けることはないですけど、
横並びで勝負がつかないんじゃないんですか?」
「そうなる可能性は低い。
連中に票の交換なんて考え付くわけがない。
だって、そのためのアピールタイムだったんだから。
あのアピールタイムで、俺と直ちゃんという二人の絶対的な
悪者が生まれたからね。
お陰で連中は何もしなくても俺か直ちゃんのどちらかが
必ず負けると安心しきってる。
だから作戦なんか立てる必要ないと考えているはずだ。
でもそれが、やつらの油断なんだよ。
均等に票がいきわたれば、全員5票ずつ獲得していくだろ?
でも実際は、差が出るはずだ。
そして、1回目の投票で5票獲得出来なかったやつは、
もう俺たちに勝つことは出来ないんだよ。」
「どうしてですか?」
「例えば、1回目で4票だったやつが、慌てて誰かと票の交換を
はじめたとする。
でも、残り9回で5票ずつ交換しても、獲得できるのは45表。
最初の4票と合わせても、49票にしかならない。
だから、俺達が確保している50票には、絶対届かないんだ!
このゲームは、一度沈んだノロマは二度と浮かび上がれない
仕組みになっているんだ。
だからこそ俺と直ちゃんが手を組めば、100%勝てる!」
「すごい・・」
「完璧だろ、この作戦。
もちろん協力してくれるよね!」
「・・」
「何だよ、まだ疑ってるの?」
「いや、そうじゃなくて・・
リストラされた人は、また借金を背負うんですよね。」
「あのさ、一つ覚えておきなよ。
世の中にはみんなが幸せになれる方法なんて存在しない!」
「そんな・・そんなこと・・」
「本当だよ。
奪う側奪われる側損するヤツ得するヤツ、
きっちりわかれている。
他人の心配なんてするだけ無駄なんだ!」
「そんなことありません!
自分だけが良ければいいなんてそんな考え方!」
「それでこのゲームに勝てるのか!?
そんなこと言ってたら負けるんだよ、確実に!
それでもいいのか!?」
「・・・」
「もう一回聞くよ。
協力、してくれるよね。」
直が頷く。
「よし。同盟成立だ。
じゃ、そういうことで。」
「あの・・
何で、助けてくれるんですか?私のこと。」
「お互い様だよ。
だってこの作戦がなきゃ、俺か直ちゃんのどっちかが
負けるんだから。
それに・・直ちゃん見てるとさ、危なっかしくてほっとけないんだよね。」
「フクナガさん・・」
「じゃ、投票よろしくね!」
「はい!」
「みんなが幸せになれる方法なんて・・・存在しないか・・。」
一人になると、直はそう呟いた。
一方、街を歩く秋山の前へ谷村光男(渡辺いっけい)が現れた。
「事務局からのメッセージだ。
3回戦を楽しみにしていろ。
逃げられるなと思うなよ。
なあ、お前、まさか、自分がたまたまこのゲームに巻き込まれた
なんて思ってたんじゃないだろうな。
そんなわけないだろ。
お前がこのゲームに参加することは、最初から決まってたんだよ。
3年前の礼は・・・必ずさせてもらう。」
谷村に掴みかかる秋山。
「どういう意味だ!」
「もっと面白いことを教えてやる!
3年前に死んだマルチの代表者、
あれ、ダミーなんだよ。」
「・・・」
「お前の復讐は・・・失敗してたんだよ。」
怒りと驚きで立ち尽くす秋山。
1回目の投票が終わった。
結果はフクナガが10票、7名が5票、そして直は0票だった。
結果に呆然とする直。
「フクナガさんどういうことですか!?
約束したじゃないですか!
私に5票入れてくれるって。」
「ああ、約束したよ。
でも守るわけないじゃーん!」
「・・・」
「これはライアーゲーム。
騙しあいのゲームだぜ。」
「酷い・・酷い・・又騙したんですか・・」
「そうだよ。
前にも言っただろ。騙される方が悪いって。
直ちゃん、君は僕が勝ちあがるための生贄なんだ!」
フクナガの高笑いが響き渡る。
「ダメだ・・泣いてちゃダメだ・・
誰かに頼まなきゃ・・
同情してもらえるように・・・」
直は挽回を図ろうとプレイヤーに話しけるが、
誰1人として直の話を聞いてくれない。
2回目、3回目の投票が終わっても直は0票のままだった。
泣き崩れる直に声を掛けるエリー(吉瀬美智子)。
「このままだとあなたは敗北します。
どうなさるおつもりですか?」
「どうすればいいのか・・わかりません。」
「もう、あきらめると?」
「あきらめたくないです!
でも・・」
泣きながら立ち去る直を見つめるエリー。
秋山の携帯電話に非通知の着信が入った。
電話を聞きながら驚きの表情を浮かべる秋山。
同じ頃、敗者復活戦の会場ではエトウが直に近づいてきた。
「これ、あげるよ。
金とかいらないから。
だって・・俺、こんなことしか出来ないし。」
エトウがジュースを差し出す。
「あのさ、直ちゃんに、悪いと思ってるんだよね。
この間、俺のこと庇ってくれたのにさ。
だから、君に票を入れてあげたかったんだけど、
今は、それも出来なくなったから。」
「それ、どういうことですか?」
「やっぱり、知らないんだ。
どうして君に一票も入らないか。」
「知りません。
エトウさんは何か知っているんですか?」
「直ちゃんさ、フクナガと、票を交換する作戦立ててたよね。」
「はい。」
「その作戦、俺たちも考えてたんだよ。
俺ら7人、全員で票を交換する予定だったんだ。
そしたら・・・」
「悪いけどさ、俺と直ちゃん、手を組んでるよ。」
フクナガが7人に言う。
「そしたら・・全員50票で並んじまうってことか?」
「甘いんだよ。
みんなの中の誰かが負けるに決まってんじゃん。
みなさん肝心なことを忘れてません?
神崎直は金を持ってるんだよ。
50票で横並びになれば、必ず金が物を言う!
例えば、あんたに直ちゃんがこう言ったらどうする?
4000万円あげるから、自分に票を入れて下さい、とかさ。
みんな1億の借金があるんだよ。
金は少しでも欲しいはずだ。
そんな状況で取引持ちかけられて、全員がそれを断れるか?
わかりました。
金持ってる直ちゃんと、その直ちゃんと組んでいる俺が安全圏で、 みなさんは、この中の誰かが負けるかもしれないという
危機的状況にある!!
でもね、本当は俺、みんなに協力しに来たんだ。
一人500万。
合計で3500万払うなら、みんなのこと救ってやるよ。」
「救うってどうやってよ。」
「裏切るんだよ、俺が。神崎直を。」
「裏切る!?」
「俺があの小娘に入れるはずだった50票をみんなに回してやる。」
「でも・・」
「頭使いなよ。勝ち残った時の賞金は1250万。
俺に500万払っても、リストラされて2億の借金抱えるよりは
全然マシだろ?」
「でも僕ら、今はまだ500万なんてお金持ってないし・・」
「あるじゃん、ここに。
これだよ。このMチケットで買うんだ、俺の裏切りを。
戦略作戦必勝法。このMチケットは、そういう形のないものを
売り買いする為にあるんだよ!
さあどうする?俺の戦略・・・買う?買わない?」
エトウのMチケットは9500万に減っていた。
「俺たちは買ってしまったんだ。
フクナガの戦略を・・。」
「そんな・・
じゃあ、私も買います!
賞金全部払いますから、エトウさんの票を私に下さい!」
「それは!・・それは出来ない。」
「どうしてですか?」
「Mチケットの契約が成立しているから。
悔しいけど、あいつ頭がいいよ。
いつも俺たちの先を行ってる。
俺たちには、物を売買するっていう考え方しかなかっただろ。
だからこのゲームで、こいつの使い道なんてないと思ってた。
だけどフクナガは、Mチケットを契約書として使うんだ。
フクナガと俺は、Mチケットでお互いに相手の票を1円で
買ったんだ。」
「1円で?」
「金額なんて何でもいいんだよ。
こうすれば、お互い1円ずつ払ってプラマイゼロ。
あとは契約だけが残るだろ?
この契約は破れない。
破ったらペナルティー1億だから。」
「他の人たちも・・みんな?」
「フクナガの指示で、誰が誰に投票するか、
10回目まできっちりMチケットに書かされてるんだ。」
「そんな・・・」
「だから・・本当に悪いと思うけど・・
君にはもう・・勝ち目はないんだよ。」
「・・・」
二人の後ろにフクナガが立っていた。
「直ちゃんには近寄らないでって言ったよね。
日本語わかんないのかな!?」
エトウに掴みかかるフクナガ。
「まあいいや。作戦はもう完了しているからさ。」
エトウが部屋から走り去る。
「エトウさん!」
「だから言ったろ。他人の心配なんてするだけ無駄だって。」
「・・・」
「お前はここで落ちるんだよ!
確実にな。」
8 「私の名前は神崎直。
ライアーゲームという、恐ろしいゲームに、
ある日突然巻き込まれてしまいました。
一度は、ゲームから離脱した私でしたが、
三回戦に進秋山さんを助けたくて、
自分の意志で、敗者復活戦に参加しました。
そこで行われるのは、リストラゲーム。
9人のプレイヤーが投票を行い、
もっとも得票数の少なかった一人が、
脱落するというゲームです。
二回戦の大金を手にした私は、
借金を背負う、他のプレイヤー達から敵視され、
孤立してしまいました。
フクナガさんは、私以外の全員の票の動きを、
完全に支配したのです。
さらに、フクナガさんとの勝負にも負け、
私は、3000万を失ったのです。
そんな絶望的な状況の中、秋山さんがやって来てくれました。
フクナガさんのイカサマを見破り、
私にイカサマで仕返しする作戦を、教えてくれたのです。
結果、フクナガさんの10票を得ることに成功しました。
そして、私は動き出したのです。
現在の持ち金7千万で、10表を打って欲しい。
7人のプレイヤーと取引を交わし、
私は、単独トップに立ちました。」
「ちょっと君!
7人全員に7千万払う約束したんでしょう!?」
「そんな、払えないだろ!?」
「どうすんのよ!?」
プレイヤーたちが騒ぎ出す。
「静粛に!
どうすんの?
直ちゃんの持ち金7千万じゃ一人にしか払えない。
Mチケットの契約破ったら、罰金1億円だってことは
わかってるよね!?」とフクナガ。
「わかってます。
ですから、Mチケットに条件を書き加えておきました。」
直(戸田恵梨香)の言葉に、プレイヤーがMチケットを確認する。
「お支払いは、9回目の結果発表から、10回目の投票までに
行えばいいんです。」
「そういうこと。
つまりこの1時間で全員に7千万払えばいいってわけだ。」
秋山(松田翔太)が補足する。
「だからそんなもんどっちにしろ払えないだろうが!」とフクナガ。
「心配しなくても、ちゃんと払う。
人のことより自分のことを心配しろよ。フクナガ。」
「は?」
「お前とオオノとキダは、最下位の40票で並んでるんだからな。」
「・・・」
「とにかく、勝ち残りたいやつは・・・票を買いに来い。」
“ライアーゲーム”敗者復活戦で最下位から一転、一気にトップに
なった直。
最後の投票まで1時間。
現時点で最下位のオオノワタル(坂本真)とキダノリユキ(大高洋夫)が
直と秋山の元へ票を買いに来た。
一千万円で打診してきた2人に秋山が笑い出す。
「寝ぼけてんのか?」
「それでは安いっていうのか!?」
「話にならない。」
「じゃあ、いくらなら・・」
「最低でも、7千万だ。」
「7千万!?」「高すぎるぞ!!」
「どこがだよ。
すごく良心的な値段だろ?
よく考えてみろ。
お前らは、10票と引き換えに7千万を受け取るって契約を、
神崎直と交わしている。
だが現状、彼女にそれだけの金はない。
今1千万でお前らが票を買ったとしても、彼女の儲けは2千万。
だから結局、お前らに7千万は支払われず、
彼女は罰金として2億円を背負う。
つまり、三人とも損をするだけだ。
でも7千万で票を買うんなら、
彼女が支払う約束になっていた金と同額で、相殺出来るだろ?
つまり、3人とも損をせずに済むってわけだ。」
「ほんとだ・・・」と直。
「1千万払うより、7千万払うほうが得だ・・」
「うん・・」
オオノとキダが感心する。
「わかったろ?
で、どうする?」
「・・・よし。取引成立だ!
7千万で、5票、」Mチケットを記入し出す二人。
「おい!何で5票なんだよ。」
「5票買えば、10回目で50票に届きますから。」
「生憎だが、売れるのは2票だけだ。」
「2票で7千万!?」「ふざけてるのか!?」
「大真面目だ。
この2票はでかいぞ。
これがあれば、最下位から脱出出来るんだ。
さあどうする。
買うのか?買わないのか?」
「・・・仕方ないな。買ってやる!」
「秋山さんの策は見事でした。
1千万払うより、7千万の方が損はしない。
そんな不可思議な状況を作り出し、
私が交わした7千万支払うという約束を、
無かったことにしてしまったのです。」
続いて秋山は同票最下位のフクナガユウジ(鈴木浩介)に
話しに行く。
「おいフクナガ。
キダとオオノが7千万で2票ずつ買っていったぞ。
つまり、現時点でお前は、単独最下位だ。
もちろん票が欲しいんなら売ってやるよ。
2票で8千万だけどな。」
そう言い立ち去る秋山。
「あっきーやーまーー!」
地団駄を踏むフクナガ。
「この直後、」
「ありがとうございました。」
「またどうぞ。」
「フクナガさんも2票買いに来ました。
現時点で、最下位、41票で5人が並びました。」
「票を売って、次はどうするんですか?」直が秋山に聞く。
「そんなことよりも、今のうちに考えておきな。」
「え?」
「この8人の中で、誰をリストラするか。」
「・・・」
「一番憎いヤツを、ちゃんと潰さなくちゃな。」
「・・・」
直と秋山の前に、最下位に並んだヒロミ、ケイコ、ツチダがやって来た。
「私たちにも票を売ってくれないかね。」
「7千万で2票買えるんでしょ?」
「いいや。それはさっきまでの値段だ。」と秋山。
「は!?」
「今は、2票で1億円。」
「1億!?」「ちょっと!ぼったくりでしょ!それは。」
「彼女が払うことになっていた7千万と相殺すれば、
実質3千万。
高すぎはしないと思うがな。」
「でも・・」
「嫌なら買わなくていい。待
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